思いがけない仕返し
我が家は昨年のコロナウィルスの感染拡大を受けて、夫婦共々、床屋・美容室に行かなくなりました。
床屋・美容室では理容師さんや美容師さんと会話をしますし、どうしても密接になります。
それでも、旦那さんは、コロナが流行り始めのころに髪が伸びてきたため、ここ数年間の行きつけの床屋に行きました。
その時は、旦那さん自らがマスクをして髪を切ってもらったようでした。
でも、結局はいかなくなりました。
コロナの影響
その床屋の奥さんには、昨年成人式を迎えたばかりの娘さんがいて、
「コロナでもうちみたいな若い子たちは、ショッピングセンターとか言ってしまうんですよね~。」と言っていたそうです。
うちのアスペルガーの心配症の旦那さんは、その会話を聞き逃しませんでした。
「娘さんが外出先でコロナに感染する→その理容師さん(母)が感染する→お客(自分)が感染する」
というリスクがあると判断し、そこに行くのが嫌になったようです。
確かにそこはその娘さんに「客商売をしているから」と強く外出しないように注意して欲しい部分でもあるかもしれません。
ましてや当時は、コロナ感染を抑えるということに世界全体が躍起になっていた時期です。
コロナ自体が何者かよくわからないため、まずはとにかく外出を控えることでしか対策できない時期でもありました。
案の定、どこかの美容室でクラスターが発生した、なんてニュースもあったりして、私も美容室に行くことが禁止されました。
(自分自身もしばらくは我慢したほうが良いな、とは思っていました。)
とはいえ、男性はもともと髪が短いスタイルなので、少し伸びるだけで気になりますよね。
そこで、その対策として我が家ではバリカンを購入しました。
「えー、バリカンで?丸坊主?角刈りにするの?それともスポーツ刈り?」
と思った方もいるかもしれません。
でも、調べてみると、最近のバリカンは色々と種類があって、とても便利なことが分かりました。
アッタッチメントがあって、長さの調節ができるんです。
これだと、初心者でも頭のパーツ毎に長さを変えられるので、意外に単なる丸坊主にならず、床屋で散髪してもらう感じに近いスタイルにすることができます。
私も、髪が長く毛先をこのバリカンでサッと切って済ませるので、美容室に行く必要がなくなりました。
YouTubeをみると、セルフカットの動画もあって毛先を軽くすることもできます。
そこで、バリカンだと毛先を切り落とすのは一瞬だし、ハサミで切る時にガタガタしてしまう切り口があまり目立ちません。
ただし、カラーリングやパーマはできないので、増え始めた白髪を隠すことができないのが難点です…。
それでも、年間にするとかなりの節約になっているの、いいかなとも思います。
「慣れ」は失敗のもと
という訳で、旦那さんも一番最初だけは私の腕前を信用していなかったものの、それなりのスタイルに仕上がるので満足していました。
ここ1年は、私が旦那さんの髪をそのバリカンで切るのが当たり前になっています。
ただ、長期冷戦(喧嘩)中でも髪を切りたいという時期が来ます。
先日、そのような状況の中で髪を切ることになりました。
その時は、私も知らず知らずのうちに精神的に不安定になり集中力がなくなっていたようです。
意図したわけではないですが、間違えて短いアッタッチメントをつけて、しかも普段なら、後工程のはずの前髪を先に、「ズッ」と言ってしまいました。
そうすると、サイドのちょっと長めにしている髪を前髪に合わせるとなると、角刈りみたいになりそうです。
「なんかマズイ…。」
とりあえず、サイドの長さは当初の予定通り今より短くするものの、前髪には合わせずにできる範囲で調整してみました。
「とうしてかなぁ?今日はちょとうまくいないみたい。」と言って、試行錯誤しているところを見せてみました。
すると、早く終わりたい旦那さんは、「もういいんじゃない。」というので、作業終了です。
ただ、髪を洗った旦那さんが、
「あなた今日失敗したでしょ?」と一言。
「なんでなろうね~、いつも通りやったのにね~。また近いうちに調整するから。」
と言いながら、心の中で小さなガッツポーズです。
思いがけずそれまでの1か月以上の辛い時期の仕返ししたことになりました。
時にはこういことがあっても良い、と自分に言い聞かせました。
アスペルガーの旦那さんに怒りをぶつけてみることはあるものの、意外に、意図的にし仕返しするほど意地悪にもなれないからです。
こうして、微妙に冷戦状態が解消に向かいました。