ひとり劇場
アスペルガーのうちの旦那さんは、非常に心配症です。
それが悪いことばかりではなく、何かに備えると言う時にはとても助かります。
そして、その心配症が、ひとり劇場に発展しておもしろい時があります。
ただ、心配性が悪いほうへ発展してしまうことが続くと、そんなおもしろいと思えていたこともすっかり忘れていました。
以前読んだカウンセリングの先生の本によると、アスペルガーとのパートナーは口をそろえて、
「付き合っている時が一番良かった」と言うようです。
私の場合もそうです。
自分にとって悪い部分だけが、印象深くなってしまうんです。
そうして、「どうして結婚したんだろう?彼のどこに惹かれたんだろう??」
とさえ思う時があります。
しばらく忘れていましたが、付き合っている時にも、心配性からくるひとり劇場を繰り広げていたな、と思い出しました。
その姿が本当の心配症からくるものであると知らなかった当時は、おもしろい人だなと興味をそそられました。
そんなことを思い出すきっかけとなった出来事があります。
何も起きていないのに…
色白の旦那さんが、今年はジョギングに励んでこんがり日焼けしています。
そこで、「随分いい感じで日焼けしたね」と声を掛けました。
「走る時は上半身で裸で走ってるからね。」
(「ええっ⁉、ご近所さんから変な目で見られる!」)と思ったものの、、、
「ふーん。」と平然と返しました。
でも、私の心の声がきこえたのか、
「人気がない、あそこの林の前の道のところだけね。」と旦那さんが言いました。
「人気がないなら、いいんじゃない。」と返しました。
そこで、一旦会話が終わりそうですが、そうはいきません。
「上半身だけだから問題ないでしょ。もし通報されても、こう言うよ。“上半身だけだから公衆わいせつ行為ではないでしょ。気を遣って、人気の少ない道を選んで上半身になっている。何がどう迷惑なのか説明してくれ。僕を注意するなら、外国人が上半身で裸で歩いているのもちゃんと注意するんですよね。”って。」
と、実際に、通報した人と対峙しているかのように、“せりふ”に感情がこもっています。
誰も、「通報されたらどうする?」なんてことは、ひとことも言っていません…。
でも、こうして余計な心配をもとに、ひとり劇場を繰り広げる姿がとてもおかしくなり吹き出しました。
もちろん、精神的にも安定していそうなことが分かっているからです。
そう、前は、おもしろい人だったなぁと急に懐かしく思いました。