旅の記録-ドバイ2
渡航時期:2009年2月
今回も、前回に引き続きドバイについて。
2回目は、商工会議所の紹介で、食に関する市場調査ツアーに参加しました。
当時、日本の農産物をドバイの富裕層に売り込みたいという思いから企画された見学ツアーです。
特に食品の取り扱いがあったわけではないですが、中近東とつながりのある職場だったため、興味本位で当時の社長が私に「行ってみて。」と一言。
そんな感じでいいのかな、、、と思いながらも、観光旅行では見られない部分が見れて、非常に貴重な経験となりました。
当時のドバイ
そのツアーに参加したのはリーマンショック直後でした。
ご存知の通り、当時ドバイは不動産バブルで、世界でも大変注目を浴びる都市でした。
また、椰子の木の形をした人工島パーム・ジュメイラや、ショッピングモールの中にあるスキー・ドバイ、当時世界一高い建物とされたブルジュハリファなど、面白いことを考えて、それが実現出来てしまう不思議な国だなーと思っていました。
そして、そんなドバイがリーマンショックの影響でどうなっているのかなぁという興味はありました。
見学先で、「リーマンショックの影響はあるか」と言う質問が結構聞こえました。
工事が途中になっているビルは数多くありましたが、もともと人手が足りていなかったことも原因の一つだった気がします。
そのため、行く先々でほとんど「リーマンショックの影響はあまりない」というのが、現地側の回答でした。
ただ、超高層ビルのブルジュハリファは、資金繰りが厳しくなり隣のアブダビからの援助で建設を継続することになった、と聞きました。
(因みに当時はまだ建設中で、建物内に入ったりは出来ませんでした。)
当初は違う建物名だった(何だったか思い出せない…)のですが、アブダビの首長の名前を取って今の名前となったようです。
ドバイが目指すもの
ドバイはアラブ首長国連邦の一つで、当時はあらゆる面での世界のハブを目指していたようです。
と言うのも、実はドバイはほとんど石油がでないため、それ以外の何かで経済を潤していくしかなかったようです。
これは、意外です。
単に自分の勉強不足とも言えます。。。
その、あらゆる面というのは、人や物やお金です。
人という面では、観光や空港網の整備。
ものといえば、農産物、水産物または、海上コンテナの物流などの拠点。
そして、お金といえば不動産投資などを呼び込む、と言った感じです。
驚くのは、市場、ホテル、倉庫など訪れる先々で、「ドバイは、世界のあらゆるハブを目指している」ということを、それぞれの設備の責任者が言っていたことです。
ドバイ政府の意向がちゃんと経済を引っ張っていく人たちに伝わっているなと感心しました。
食料調達
他の中近東の国も似たような状況だと思いますが、ドバイは、農産物をほとんど輸入に頼っています。
市場では、トルコやパキスタンなど様々な国々からの輸入品が並んでいました。
魚市場にて 青果市場にて 青果市場にて
自国の消費と周辺国との物流の拠点となることを目指しながらも、自給率を高めることも行っていました。
「砂漠なのにどうやって?」と思いますが、水耕栽培という手がありました。
ツアーで連れていかれたのは、砂漠の中に突如現れる緑地帯です。
イチゴの栽培 花の栽培 耕作地はどんどん広がっている感じ
そこでは、花やイチゴの栽培を見学しました。
水を引いてくるだけで大変だろうに、作物まで生産できるとはとても感動しました。
本当にたくましく、生き残ることに真剣だなぁと思い、と同時に、改めて日本は自然豊かな国だなと実感しました。
スーパーにて
富裕層が利用するスーパーも見学しました。
そこには、日本の農産物の輸入品コーナーがありました。
遠く離れた土地に「日本」を見ると、ホッとします。
そして、「日本人にもがんばってる人がいるなぁ」と感心しました。
アラブ人は、人口比率は低いのですが、だからこそ、政府・役所・事業などの主要なポジションに就いていて、想像できないぐらいお金持ちなようです。
おいしいものは、“何個いくら”ではなく、“箱買い”するのが当たり前ということを聞きました。
農産物以外にも日本のもので、普通に浸透しているものもありました。
オロナミンCや、子供の飲み物のパッケージに当時流行っていた日本のアニメのNARUTOのキャラクターが描かれていたり。
駐車場は舗装されていない オロナミンCは
暑い国の人には強い味方なのかも
まとめ
取り留めもなく、わずか数日の私のドバイでの体験にお付き合い頂きありがとうございます。
10年以上も前のことなので、随分様変わりしているのだろうと思います。
訪れる場所にもよるとは思いますが、中近東でありながら、欧米のセンスを程よく受け入れていて、不思議な場所でした。
コロナの影響がどこまで尾を引くのか予想がつきませんが、いつかまた行ってみたいと思っています。
かなわぬ夢かもしれないけれど、豪華な砂漠の中のホテルにとまってみたいとひそかに思っています。
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